KAMAROQがめざすもの


1. 釜石の現状と課題

釜石市は、岩手県の太平洋側南東部、三陸復興国立公園の中心に位置し、東に世界三大漁場である三陸沖と狭い湾が複雑に入り込んだ風光明媚なリアス式海岸、周囲を北上山地などの山々に囲まれた海と山の自然が豊かなまちです。市域面積は441.29km²あり、その内、88.2%にあたる389.31km²が森林面積で占められています。

また、国内で初めて、大島高任による洋式高炉の初出銑に成功したことから近代製鉄発祥の地とも呼ばれ、古くから「鉄と魚のまち」として鉄鋼業と水産業が盛んでした。最盛期は県内2位となる9万人以上の人口がおりましたが、製鉄所の高炉休止に伴う人口減少や少子高齢化により、当時の半数以下の人口にまで落ち込みました。

そして、2011年3月11日、東北の太平洋沿岸地域に未曾有の被害をもたらした東日本大震災により、暮らしも産業も甚大なる被害を受けました。

  • 人的被害: 死者行方不明者 およそ1,100名(人口の約3.6%)
  • 住家被害: 被災住家 3,704棟(市内の約22.9%)
  • 漁港・海岸施設被害: 128億7,000万円(市管理漁港9、漁業集落排水施設)
  • 水産関係被害: 96億5,000万円(3漁協の漁船、漁具、生産施設等)
  • 漁業経営体: 830すべてが被害を受ける → 再開 580 / 未再開 250

課題認識

■ 震災による水産業の脆弱化が進行

  • 高炉休止に伴い鉄鋼業は低迷し、人口も流出が続いている。
  • 漁業者は、鮮魚を各漁協の市場に出す事がほとんどで販路が少なく、津波被害により廃業が増加
  • 釜石ならではの商品開発も困難な状況にあり、原料供給地としての役割が主となっている

■ 内部での連携、外部との連携が弱い

  • 復興には、漁業関係者と水産加工業者・事業者間での連携が必須だが、日々の仕事の復旧に追われている。
    また、経営企画を担う人材が慢性的に不足しているため、震災後も連携の強化はあまり進んでいない

釜石市
釜石市 - 釜石市の復興情報

2. プロジェクトの趣旨

私たちKAMAROQ株式会社(愛称 カマロク)は、釜石の食の魅力を発掘し、異業種間や素材などのコラボレーションで新たな美味しさと食べ方を提案します。そして「釜石の一品」を皆で作り出していきます。

Collaboration(業種を超えた地域内連携により)、Love(釜石の山海を愛する人々が集い)、Laboratory(釜石の食ブランドを開発する実験場を目指す)をコンセプトに様々な業種業態のメンバーが集い活動をしております。


協働するコミュニティづくり

協働の成功事例をつくる。生産者や水産加工業者、他の食品関連事業者など、異業種連携の象徴となるコミュニティとする。

商品開発サイクルの構築

各種が技術・ノウハウ・素材を持ち寄り、アイディアを出し合い試行錯誤を重ねてつくる、商品開発サイクルを構築する。

販促体制の整備

市内外への販売体制を整備・強化し構築する。各社が持つ販路も活用しながら、食を通じて釜石ファンを増やしていく。


釜石の食ブランドの確立

震災復興・地域産業活性化の契機となるよう、食関連産業・観光産業も巻き込み、6次産業化及び釜石の食ブランドの確立を目指します。これにより、地域雇用の創出や観光客の誘致にも貢献していきます。


釜石全体で連携する土壌作り

6次産業化及び釜石の食ブランド確立には、漁業者と水産加工業者・事業者間、更に食関連産業、観光産業などとの異業種間での連携が欠かせません。本プロジェクトによって連携することのメリットを広く打ち出し、釜石全体で連携するムードを創っていきます。

3. ブランド構築の基本方針

参画企業の各社ブランドではなく共有ブランドとして、釜石全体で共有できる商品開発を行っていきます。KAMAROQ株式会社で作られたものは、市内事業者が活用できるようにすることにより、最終的には地域全体のブランドとなり、更には各社のブランド価値向上へと繋がることを目指しております。


全体性 個社ではなく全体の取り組みにすることでメリットを生み出す
開放性 開かれた空間と関係を大切にする
多様性 業種や業態に囚われずコラボレーションを大切にする

カマロクのポリシー

  • 垣根を越えたコラボレーション
    バックグラウンドや考え方の異なる異業種間での共同開発を目指す
  • アクション思考
    まず行動、アイデアをできるだけ早く形にして仲間に示す
  • 他者の価値観の尊重
    メンバーや外部とのコミュニケーションとそこから生まれるインサイトからの感化を大切にする
  • 解決の為のプロトタイピング
    アイデアをどんどん形にしてメンバーに評価してもらう

消費者へ提供する価値

  • 釜石の海に眠るお宝発見
    未利用資材を発掘し、異業種協働のコラボレーションで生まれた新たな美味しさや食べ方を提案していきます。「美味しい」の感動と発見を提供していきます。
  • イージーだけどリッチ
    価格の値ごろ感や、手にして食すまでの手軽さがありながらも、味は一級品を追求していきます。観光や出張で訪れた釜石やいつもの食卓でも、少し贅沢な気分をご提供いたします。

4. 六次産業化とは

六次産業化とは、農業、水産業、林業などの第一次産業が、食べ物や原材料の生産だけではなく、それらを材料とした加工食品の製造や流通販売、地域資源を活用したサービスなど、第二次産業や第三次産業にも主体的に展開することにより、第一次産業を活性化させるだけではなく、地域全体における付加価値の向上や産業の発展を目指すものです。

全国的に農村漁村が衰退していく中、地方の産業振興や地域活性化への取り組みの一つとして注目されています。2008年には農商工等連携促進法が制定され、2010年には六次産業化法「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律」が成立されました。


農林水産省 - 農山漁村の6次産業化